Airis
「これ血液検査の結果ね。最近病院は?」
「………サボり気味」
「お……」
おい、と言いかけた真鍋の口を塞ぎ
沙衣ちゃんに向き直る。
「これから俺が沙衣ちゃんの担当医になろうと思うんだけど……ちゃんと管理していかない?自分の体」
一番良いのは真鍋が担当医になることかもしれないけど、
患者と医師が親しすぎるのを噂する人もいるからうちの病院では夫婦でも担当医は外される。
「でも、今まで何してもちゃんと治ってくれなかった」
「んー……治すのを目的にするってよりもね、コントロールしていくって方が正しいかも」
キョトンとする沙衣ちゃんに説明する。
「沙衣ちゃんの場合は体質だから、どうしても完治させるってのは難しいんだよね」
「はい……」
「だから貧血の発作で今回みたいに倒れるのを無くすために、薬とかでコントロールするのが目的」