Airis
「ほー、なるほど」
「………沙衣、聞く気あんの?」
「あ、あります」
真鍋に怒られてしゅんとする沙衣ちゃん。
「とりあえず…」
机の上の処方箋にサインを書いて、
沙衣ちゃんに渡した。
「しばらくはこれ、飲み続けて。そんなに強い薬じゃないから」
「……わかりました」
「あと今夜はもう遅いから、ここで点滴うってから帰って」
「え…」
嫌そうにしているけど、
その顔はまだ正常と言えるものではない。
むしろこのまま帰す、という方が無理だ。