Airis
「じゃあそっちのベッドに横になって」
看護師がいないので、
自分で点滴の用意をしながら声をかける。
用意を済ませて行くと、
かなり不満そうな沙衣ちゃんが真鍋に説得されていた。
「俺もどうせこのままいるから。大地の言うこと聞いて」
「でも……あ、お母さんが心配する」
「それならもう連絡してるから」
あ、なんていう時点で言い訳しているのはバレバレなのに。
なんだかふたりの姿が少し微笑ましくて、
ついそのまま見続けていた。