Airis

優苗side





「………大地だけズルイ」



「そんなこと言われてもね」



ふてくされるわたしに苦笑する大地。

仕事から帰ってきた大地が、
真鍋先生の彼女に会ったと言い出したからついそんなことを言ってしまった。



「どんな子だった?」



「沙衣ちゃんっていう子。可愛い子だったよ」



「わたしも早く会いたいなー」



「優苗のこと話したら、沙衣ちゃんも会いたいって言ってたからきっと会えるよ」



真鍋先生が沙衣ちゃんにベタ惚れなのは
見てわかる。

だからこそどんな子なのか興味がある。




「でも貧血って……大丈夫なのかな」



「優苗も人のこと言えないでしょ」



「っ……そうだけど!」



わたしだって医者として沙衣ちゃんを心配したっていいじゃん。


………これから仲良くなりたいって思ってるし。






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