Airis
「プリンも無理なの?」
「ん、なんかつわりのときはプリンの甘さが気持ち悪くて……」
いつもだったら食欲が無くても食べられていたプリンが、今回は全く食べられない。
「じゃあさ……点滴するしかないんじゃない?」
「いや……それも無理なの」
「優苗」
「はい……」
なんとか言い逃れようとしたが、
大地から逃れるのは難しいみたいだ。
「もう少し待つから、頑張ってみて」
「うん」
よし、と言って立ち上がった大地は
空いた皿をキッチンへと持って行った。