Airis
「着替えようか、汗かいてる」
わたしのパジャマを棚から取り出して、
まだ動けないでいるわたしを着替えさせてくれた。
そのままベッドまで抱えてくれた大地。
「ありがとな、俺たちの子供のために優苗ばかりこんな苦しい思いをして」
「ううん……大地も頑張ってくれてる」
「いや、俺は何にもできないよ」
そっと布団が掛けられた。
「その分、生まれてきたら俺も頑張るからさ」
「うん」
「それまでは……優苗、よろしくお願いします」
「…うん」
こんなことを言ってくれる旦那さんを持てたわたしは、本当に幸せ者だと思う。
世の中、母親に任せきりな旦那さんだってたくさんいるだろうに。
それでもやっぱり大地は大地だ。
わたしを見る大地を見て、
わたしの頬は思わず綻んだ。