Airis



プリンが大好きな優苗は、
食欲がなくてもプリンは大抵食べる。



「………よかった、昨日の夜から何にも食べてないから」



ぼそっと言われた言葉を、
俺が聞き逃すはずがない。



「は、食べてないの?」



「え、いやいや食べたよ、うん」



いやいや、さっき食べてないって言ってたしな。

問詰めようかとも思ったけど、
俺の目の前でプリンを食べだしたから今回は見逃してあげることにした。



「ダメだったら真鍋のとこ行くんだぞ」



「うんっ」



プリンに夢中でしっかりと聞いていないと思われる優苗の返事を聞いて、

午前の診療をする診察室へと向かった。





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