Airis
そう言うと優苗は食堂のおばちゃんにうどんを頼んで、俺たちと同じ席に座った。
「で、美結ちゃんはどんな感じなの?」
少しずつだけどちゃんとうどんを食べる優苗に、違う話をもちかけた。
「んー、ウイルス性肺炎で入院してきた子なんだけど………」
こうやって話しているときはいつもの優苗じゃなくて、しっかりと医者の顔をしているんだから不思議だ。
普段からこんなふうにしっかりしてればいいのに。
いやでも、そうなったら少し淋しいかも。
「大地、聞いてる?」
違うこと考えてたなんて言えるはずもなく、うん、と頷いた。