Airis
「どう?」
優苗の首に手を当てる大地に尋ねると、
横にふられる首。
まだ下がらないのか………
「血液検査はしてないからなんとも言えないけど………感染じゃなさそうだから多分風邪だな。今うち流行ってるし」
「ん、俺も同意見」
「一応3日分薬は出してるけど……解熱剤だから熱下がればやめていいから」
そう言うと、
優苗を抱えて大地が扉へと近付いた。
「ありがとな、1日」
「いやいや、主治医として当たり前」
「頼りある主治医だこと」
そんな会話を交わして、
帰っていく大地と優苗を見送った。
………俺も彼女欲しい。
そんなこと思ったのは俺の中だけの秘密だ。