Airis
「………飲む」
「ん、偉い」
手を入れて支えながら、まだ熱い優苗の体を起こす。
背もたれに寄りかかる優苗に薬を渡すと、じっと薬を見つめていた。
「なにしてんの」
「飲むよ、うん…」
いつも患者に処方している医者が何言ってるんだか。
もっと小さな子でも飲めるっていうのに。
「ほら、早く」
そう急かすと一気に口に放り込んだ。
水を手渡すとそれも一気に飲み込む。
「ふー……」
薬を飲む度にこれだからな。
いつになったらスムーズに飲めるのだろうか。