Airis
と、さっきまで見ていたカルテに戻る。
「機嫌悪いなー。真鍋、優苗よろしくー」
そう言って診察室を出ていった大地を軽く睨んでいると、
隣で真鍋先生が笑っていた。
「優苗、大地のことが大好きなくせにそんな風な態度とるんだから。見てるこっちは笑っちゃうよ」
「そんなことないですっ、ただ本当にムカついただけで………」
だけど真鍋先生にはお見通しらしい。
「何年優苗の主治医やってきたと思ってんの」
「たいしてやってないですよね?」
「ふはっ、バレた?」
だって前の先生が異動になってからだから、まだ2年くらい。
その前から面識はあったけど。