Airis
夜中、隣がゴソゴソする音で目が覚めた。
うっすら目をあけて隣を見ると、
口に手をあててじっとしている優苗。
気分悪いのか?
起きようか、と思った瞬間
耐えきれなくなったのか優苗が寝室を出て洗面所へと走った。
「……ッ…ごほっ…おえっ…」
洗面所から聞こえてくる苦しそうな声に、急いで後を追う。
真っ暗な家の中に、洗面所から漏れる灯りが妙に際立っていた。
「っ……大地っ……」
背中をさすってやっていると、
俺の方を振り向いて泣き出す優苗。
ほんと、泣き虫。
まあそこが可愛いとこでもあるんだけど。