Airis
◇ Ⅱ
優苗side
「美ー結ーちゃん」
風邪も治って仕事復帰した初日。
朝の回診で美結ちゃんの部屋に向かうと、起き上がって待っている美結ちゃんの姿があった。
「優苗先生!」
初日にわがままだったのが嘘のように、
今ではきちんと治療に励んでいる。
症状も少しずつだけど良くなってきている。
「美結の幼なじみがね、お見舞いに来てくれたの」
一人称も美結になってるくらい、
わたしに心を開いてくれたと思っていいだろうか。
「幼なじみ?へー、どんな子?」
点滴の量を確認しながら相槌をうっていると、
「とってもかっこいいの!」
と言われて、手が滑りそうになった。