Airis
優苗side
「ねえねえ」
隣で寝ている大地の体を思い切り揺する。
それでも起きない大地の鼻を摘んで、
「いーち、にー、さーん」
と数えていった。
「きゅー、じゅー、じゅーいーち…」
「……んがっ」
11秒経ったところでようやく気付いた。
………遅くない?
「ちょ、優苗……」
んー、と伸びをして上半身を起こした大地のおでこをデコピンした。
「遅い……何時だと思ってるの」
わたしの言葉に時計を取って見た大地は、ハッとしてわたしを振り返った。