Airis




ルンルン気分で受け取ったわたしを見て笑った大地は、パンフレットを開いてどこから行くか決めだした。


わたしは適当派なんだけど……



昔から大地はきっちり決めたがるタイプだ。



「まずは虎だろ?それから……このエリアも回りたいしな…あ、ここもいい」




とりあえず虎が見られると分かったわたしは、あとは大地に任せきり。


こういうことは口出ししないのが夫婦円満の秘訣だ。





「やば……可愛すぎる…」



檻の中にいるのは虎の赤ちゃん。
パンフレットには載っていなかったけど、二週間前に産まれたらしい。



「やっぱ来てよかったー」



もしあそこで意地を張って来なかったら、こんなに可愛い赤ちゃん虎も見られなかったんだもん。


やっぱり人間折れることも必要だ。







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