Airis
そこから二時間ほど歩き回って、
お互い口数も減り疲れてきた頃。
そろそろ休憩するかな、と休憩場所を探しがてらブラブラしていて。
「ユキちゃん?!」
そんな叫び声が聞こえて辺りを見渡すと、10mほど離れたところに小さな女の子が地面に倒れていた。
「「あっ……」」
同時に叫んだわたしたちは、
ふたりでその場を駆け出した。
「大丈夫ですか?!」
やっぱり大地の方が走るのも速く、
少し遅れて着いたわたしはお母さんであろう人が落とした荷物を拾って、女の子の肩を揺さぶるお母さんを少し引き離した。
周りに人が集まって、何事かとざわざわし始めた。