Airis
「CTも異常なし、二週間もすれば傷も治るさ……抜糸は来週だな」
彼女を見ると、顔色も戻っていて表情もさっきと比べて断然良くなっていた。
「急に頼んだのに、本当にありがとうございます」
この先輩は縫合がとても上手だから、
女性である彼女には出来るだけ目立たない傷にして欲しかった。
………綺麗な顔してるし。
正直しっかりと顔を見るのは今が初めてだ。
落ち着いた今彼女をしっかり見ると、
肌も綺麗でそこらの芸能人に見劣りしないくらい美人なことに気が付いた。
「……送りますよ、家まで」
別にこれは彼女が美人だと気が付いたからではない。
……もとからそのつもりだった。