Airis




「そう言えば大地、いっかい岡崎さんにすごい怒ってなかったっけ?」



「あー、あれからなんとなく怖がられてる気がしてたんだよな………最近はそんなことないけど」



そんなことをナースステーションの前でベラベラと喋っていたら、

ポケットの院内ケータイが音をたてた。




「やば、かかってきた…………もしもし」



『あ、出た……ちょっと大地先生!こころちゃん待ってるからはやくしてあげてください!』



「あー……ごめん、すぐ行きまーす」



ポケットに戻すと笑いをこらえている真鍋。



「怖がられてるどころかお前が怒られてんじゃん」



「なに、聞いてたの?」



「丸聞こえ」




こらえきれなくなった真鍋が吹き出すのを横目で見ながら、
まだ泣いているであろうこころちゃんがいる検査室へと走った。





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