Airis
「おーい、優苗ー」
とりあえずソファに鞄を置いて、
座り込む優苗の隣にいく。
「…どうした?」
そっと肩を引き寄せると、
びっくりしたのかいきなり離れる。
「だ、大地……」
だけどそんなことではなくて……
「体、熱くない?」
引き寄せたときに伝わる体温がいつもより高く感じた。
「……え?」
その顔で誤魔化すつもりなのか、とひきつり笑いの優苗を見つめる。
誤魔化すならもうちょい上手くやれよ、と言ってやりたくなる。
もっとも誤魔化されたら困るんだけど。