Airis
泣いていたということはきつかったのだろう。
熱も測っているはずだ。
「………」
「言え」
「………38.1℃」
微熱、ではないその数字にに思わず溜息をついた。
「隠そうとするな、っていつも言ってるだろ?」
「だって……あんまり熱ばっか出してると大地も大変だし、それに……」
「それに?」
先を促すとポロポロと涙を零しだした。
あーあ、また泣かせちゃった……
「………自分でも、そんなの信じたくないんだもん」
仕事を頑張ろうという気持ちについて来てくれない体。
それを自分では信じられない、というのは確かに分かる。