Airis
沙衣side
「……ありがとうございました」
「お疲れ様、傷もだいぶ目立たなくなったしもう大丈夫」
二週間前に職場でケガをしてしまってから通っていた病院。
今日で最後の診察を終えて診察室を出ようとすると、
「……ちょっと待った」
の声が掛かった。
「ちょっと個人的な話になるんだけどさ……真鍋と会ったりしてんの?」
「……え?!」
動揺してバックを落としてしまったわたしを見ながら、
ちょっと意地悪なその先生はくふふ、と笑った。