この1時間は、俺のもの。

それなら、私が選ぶ未来は。


「お待たせ、さ、もうすぐ1時間だから車に行こう」

歩き出す藤原の腕を掴んだ。

「ねぇ、藤原」

「……ラスト1分くらい、龍之介って呼んでよ」

「……龍之介」

「なあに」


しっかり目を合わせ、はっきり口を開く。


「龍之介の1時間が、ほしい」








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