汗と涙と楽しさと
控え室に戻り、最後のミーティング。監督は言う。
「俺はお前たちに出会え、甲子園に連れてきてくれたことを誇りに思う!今後何かあったら頼ってこいよ!二年生、一年生は先輩の背中を追い続けてまた一年がんばるぞ、来年必ず戻ってこよう!」
そして次に中村が前に立った。
「さっき俺は泣くなと言った。それは泣くことが悪いのではなく、泣くことでこのチームの誇りを失うかもしれないと思ったから。でもそんな必要なかったな。みんなの顔を見たら……」
言葉につまった中村は震えながら涙を流していた。一番悔しくて、泣きたかったのは中村だったのかもしれないーー。そう思った。