汗と涙と楽しさと
あの夏、俺らは結果を残せたのだろうか。
それは人によって違う捉え方をするはずだ。甲子園にいくことが目標だったのなら十分すぎる結果だっただろうし、甲子園で優勝することが目標だったならあと少し及ばなかったと捉えるだろう。
俺は、甲子園に出るためにこの高校に入った。そして願わくば、笑って終わることが目標だった。
試合で負けたとき、悔しさも誇らしさも悲しさもあったが、一番に思ったのは楽しさだった。
この高校に入り、このメンバーと監督に出会い、野球ができたことが何より楽しかった。
そんな風に思えたことに、仲間に、監督に、そして両親に、感謝したい。
高校三年間は野球に打ち込みました、と胸を張って言える。俺の青春は、汗と涙と楽しさとともにあった。
【完】