蝶々結び
数日後――――
「ごちそうさまっ」
お昼のお弁当を食べ終えて、袋にしまった。
「結んであげよ…かって亜紀???」
麗奈が言い終わる前に私が結んだ。
そう、実はもう蝶々結びは完璧に結べるようになってしまった。
だけど先輩には黙っている。
結べないフリをし続けている。
そうじゃなきゃ関係がなくなっちゃう。
あなたに会えなくなっちゃう。
「結べるようになっちゃったんだ…」
麗奈はぽんぽんって私の頭をなでて
呟いた。
「もぅ…気づいたでしょ??」
うん…私はただ逃げてた。
叶わないって決めつけて初めから…
逃げてたんだ。
「先輩が好きなんだ。」
この恋って気持ちから。