婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
私は、ため息をつきながらテーブルの上に置かれた本を手に取った。
確かに私が言ったことだけれど…。
次の日に、さっそく返してもらってくるとは思わなかった…。
圭司は本気で怒ってる…?
なんか、イメージしていたのと違う。
本当は、軽くごめんと謝ってから、『私も言い過ぎたから本は別に返してもらわなくてもいいよ』なんて、少しだけ上から言うつもりだったのに…。
さっきの圭司の感じからして、私も本気で謝らないといけなそうだ。
いくらなんでも、それじゃ割に合わない気がする。
私はただ、ヤキモチやいただけなのに…。
そんなにヤキモチやくのが、悪いことなのだろうか…。
どちらかと言えば、ここはヤキモチやかした方が謝るべきなのに…。
結局 その日はろくに口も聞かずにお互い背を向けたままベッドに入った。
そして翌朝も、やっぱり圭司は何も言わず、かなり早い時間に会社へと行ってしまった。
今日はきっと葵に怒られるんだろうな…。
私はひとり呟きながら、仕事へと向かった。
そんな生活を3日ほど続けて、いよいよバーベキューの前日を迎えた。
さすがに、明日のことを色々と聞かなければいけないし、圭司とも普通に話せるくらいになっておかないと、まずいだろう…。
というか… これを仲直りのきっかけにしようと思っている。
もう 圭司に背を向けられることにも限界だった…。