婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~

画面には圭司の名前が…。

「もしもし なつ?」

何度聞いても、電話越しに聞こえる圭司の甘くかすれた声にはドキっとさせられる。

「うん 今日大丈夫…? 仕事終わりそう?」

私の質問に、圭司はため息をついた。

「こめん なつ…。後輩の子の仕事が終わらなくてさ、俺が速攻で終わらせるつもりなんだけど8時にはなっちゃうかな…。ごめんな。」

「あ うん 私は大丈夫だよ。じゃあ 8時くらいにそっちに着くようにするね。」

「悪いな。あっ なつさ 昔パソコ入門とかいう本持ってなかったっけ…?」

「あー 持ってたけど…。えっ…? 圭司今更そんなの見るの~?」

まさか圭司が使うはずはないと分かっていたけど、わざとからかうような口調で聞いてみた。

「いやいや 俺じゃなくてさ… 今 俺についてる後輩に貸したいんだけど…来るとき持ってきてもらってもいい?」

あー 後輩ね…。
私のテンションが一気に下がった。
さっきも後輩の仕事を引き受けたみたいな事言ってたけど…それって 女の子かな?

「うん わかった。」

色々と気にはなったけど、私は明るく答えて電話を切った。

なんだか 久しぶりに胸騒ぎがする…。
もう やきもちとかそういう感情は持たないように、圭司の会社での話はなるべく聞かないようにしていたけれど、圭司の口から出た後輩というのがどんな子なのかと、物凄く気になりだした。

女の子だったら やっぱり嫌だな…。



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