婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「えっ!! ちょっと 止めてください! 話が違うじゃないですか!! 」
私は、必死で中西さんに訴えた。
まさか こんな無理やり連れて行かれるなんて思ってもみなかったから、マンションの鍵しか持っていない…。正確にはその鍵ですら、まだ返してもらっていない。
「中西さん!! いい加減にしてください! 早くマンションに帰して下さい!」
「なつさん そんなに怒ったら血圧あがりますよ。もう 諦めて下さい。」
中西さんは、クスクスと笑っている。
「だいたい どうしてこんな事までするんですか…!?」
「うーん どうしてでしょうね… 強いて言えば、瀬崎の困った顔が見たいからかな~? あいつ 既婚者のくせに社内の女の子からモテまくってるんですよ。この俺を差し置いてね。だから 今回の浮気、なつさんにバレたら面白いなと思って…。あいつの株も下がるしね!!」
凄く格好つけた喋り方をしているけど、言ってる内容はただのひがみだ…。
そして 幼稚っぽい思考回路…。
「中西さんって モテないですよね…?」
「失礼だな~ これでも 俺 女には不自由してませんけど~。それより なつさん どうして今日、行くのやめたんですか…? 瀬崎に何言われたんです?」
興味深々の中西さんに、私はため息をついた。