婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~

「あの 中西さん お願いですから戻って下さい! バーベキューなんて行ったら圭司に怒られます。今日は行かないって約束したんですから…。」

「どうして 瀬崎はそんなになつさんをバーベキューに行かせたくないんですかね? おかしくないですか?」

「それは… 私が杉本さんに嫉妬して怒ってたこと圭司が彼女に言ってしまったから…私が行ったら気を使わせてしまうし、色々やりにくいって言われて…。」

「えー なにその勝手な言い分! あいつも酷いですね! だいだい なつさん 奥さんなのに何で浮気相手に気を使わなくちゃいけないんですか…?」

「いや だから 杉本さんは浮気相手じゃなくて 勝手に私がやきもち妬いてただけです!」

「うわー そうやって あいつは女を自分の都合の言いようにマインドコントロールしていくのか~ さすがだな~。」

中西さんは感心したように、なるほどねと呟いている。

私はもう諦めて、窓の外を黙って見つめた。

「まあ 悪いようにはしませんって…。俺が無理やり連れ出したって言えば、なつさんは怒られないでしょ? 帰りも俺の車に乗れば問題ないし、なつさんは遠くからあいつらのことを見張ってればいいんですよ。なんかワクワクするな~」

中西さんは、まるで面白い玩具でも見つけたかのようにはしゃいでいる。

別に私だって 圭司たちのことが気にならないわけじゃない…。
でも こんなことをしたって圭司との仲がギクシャクするだけなのだ。

私は、圭司に何て言い訳しようかと、そればかり考えていた。




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