婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
圭司に指定されたカフェで、私はアイスコーヒを飲みながら圭司が来るのを待っていた。
時計の針は、8時半を少し過ぎたところだった。
やっぱり終わらないのかな…。
そう思って携帯を見てみると、こんな時に充電切れになっていた。
あー 失敗した。
でも ここで待っていれば、いつか来るよね。
そう思い直し、携帯をバックへとしまっていると、私のテーブルの前にスーツを着た男の人が立っていた。
「あの 瀬崎の奥さんですか…?」
声をかけてきたのは爽やかな感じの若い男性だった。
「あ はい。そうですけど…。」
私がそう答えると、男性はにこりと笑ってこう言った。
「可愛いからすぐわかった。はじめまして 俺 瀬崎と同期の中西といいます。実は、あいつに伝言頼まれちゃって…。あいつ 遅れるって奥さんの携帯に連絡いれてたみたいだけど… もしかして、電源切れてます?」
「あっ そうなんです。私もさっき気がついたんですけど…。中西さんにまでご迷惑おかけしてすみませんでした…。」
私はペコリと頭を下げた。
「あっ 気にしないでください。今日は特に予定もなかったし…。実は俺 瀬崎の自慢の奥さんに一度会ってみたかったんですよね…。予想以上に素敵な方でびっくりしました。あっ ここすわってもいいですか…?」
「えっ…?」
私が返事する間もなく、中西さんは私の前の席にすわってしまった。