婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
ビデオの存在を知った中西は、土下座をしながら謝ってきた。
「すまなかった 瀬崎…。俺 あの人に弱み握られてるんだ。ほら 総務課に金石美加子いるだろ? 俺 彼女と不倫してて、駐車場でキスしてるとこ携帯で撮られちゃって…。彼女の旦那、うちの会社の課長だからバラされたらマズいっていうか…。それで、黙っててもらう代わりにあの人に協力するように言われたんだ。」
中西はすまなそうな表情で言った。
「それで? 何 頼まれたんだよ。」
「ああ おまえと杉本を浮気させて、なつさんとの仲を壊せって。だから 歓迎会の日もさ おまえがいつも一次会で帰るの知ってたから 杉本に散々飲まして、おまえに送らせるように仕向けたんだよ。おまえも男だから、手を出すんじゃないかって思ってさ。でも 次の日ふたりとも普通だったから、おまえ達が浮気したっていう噂だけ流した。」
「ふーん やっぱりな…。」
俺は呆れた声で言った。
「噂は思ったより、よく広まってさ…。さすがは人気No.1のおまえだけあって、女子社員たちが杉本に嫌がらせを始めだして…。おまえもそれに気づいて杉本のこと気にかけてる様子だったからさ、今度は パソコンのデーターを消して杉本がおまえに泣きつくのを期待したんだよ。案の定、杉本はおまえに泣きながら抱きついて、おまえはそんな杉本を会議室につれて行った。そうやって慰めているうちに、おまえもきっと…」
「中西 もう 俺と杉本の話はいいから、今日あいつが何を企んでたのか教えろ。」