婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
その時だった!
『ガシャン』という大きな音とともに、部屋の窓ガラスが割れた。
何事かと思い窓の方を見ると、そこにはガラスを石の植木鉢で叩き割った圭司の姿が…。
「なつ!」
圭司はベッドに縛られている私を見て、すぐに駆け寄ってきた。
「圭司…。」
私は圭司の顔を見て、ほっとしたのか涙がたくさん溢れてきた。
圭司は素早くロープを解くと、力強く私を抱きしめた。
「遅くなってごめんな。」
私は泣きながら、首を横に振った。
「あいつに… 何された?」
圭司は怒りに満ちた目をして、静かな声でそう言った。
「えっ あっ うん…。大丈夫 脱がされて縛られただけだから…。」
耳をしゃぶられ、胸を揉まれたことはこの際黙っていよう。
こんな所にのこのこついて来た自分の責任だし、なんとなく圭司に知られたくない。
「大丈夫じゃないよな…。こんな 格好で縛られて…。とりあえず、これ着とけ。」
圭司はそう言って、Tシャツの上に着ていたシャツを脱いで私に羽織らせた。
「あいつ 家にいるんだろ? 先に警察よぶから…。」
私がうんと頷た瞬時、ガチャっと扉が開く音がした。
「なっちゃんは、渡しませんよ。瀬崎さん。」
そこには、猟銃を構えながら、うっすらと笑みを浮かべている春君が立っていた。