婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「やらかしたって…何を?」
私は圭司の言葉に首を傾げた。
「いや 俺さ あの時、あいつの猟銃、手で塞いだだろ? たぶん あんな事しても、俺の手が吹っ飛ぶだけで暴発なんてしないと思う。」
「うそ…。」
「本当はさ 山にあいつを連れ出してから隙をみて猟銃を奪うつもりだった。でも あいつがなつに触るのが耐えられなくなって…後先考えずにあんなことしてた…。あいつが、俺の言った事を信じたから助かったけど、なつを逃がすどころか、なつに危ない真似させたし…ほんとダメだよな…俺。」
「そう だったんだ…。」
圭司は自信あり気にあんな事を言っていたけど全部、圭司のはったりだったのか…。
圭司が無事で本当によかった。
「なつ とりあえず ここでるか…。いつまでも、ここにいるのもな…。」
お弁当をかきこみながら、圭司が言った。
そう ここは、警察署の駐車場…。
入り口に立っている警察官がさっきからジロジロとこちらを見ているような気がする…。
「そうだね 圭司が捕まらないうちに帰ろうね。」
「いったい 俺は何の罪だよ。」
あははと笑いながら私達は警察署を後にした。
マンションに帰ったのは、深夜の1時…。
さすがに二人ともくたくただった…。
「やっと 帰れたね…。やっぱり 家がほっとするね。」
そう言って靴を脱いでいた私の手をとって、圭司はぐいぐい浴室へと連れて行った。
「なつ 俺がシャワーで流してあげる。」