婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
バーベキューの日は、朝から とても良く晴れていた。
私は瀬崎さんの車に乗せて貰うことになり、緊張しながら助手席にすわっていた。
『まずいな 会社よってたから、ギリギリだよな…。高速、飛ばすか…。』
瀬崎さんは独り言を呟きながら、スピードを上げた。
そんな瀬崎さんの横顔に見とれていると、瀬崎さんがチラッと私の方を見た。
『なに? 俺の顔になんかついてる…?』
『いえ! あの その 運転している瀬崎さん
って格好いいな~ て思って って 何言ってるんだろう すみません…。』
私は自分の言った言葉に恥ずかしくなり、俯いた。
『へー もしかして俺に惚れちゃった? 』
『えっ!? あの…。』
慌てまくる私に、瀬崎さんがすかさず言った。
『いやいや 冗談だから。もう おまえも突っ込めよ…。』
そう言って、瀬崎さんはクスッと笑った。
なつさん…ごめんなさい。
瀬崎さんにドキドキしてしまいました…。
私は懺悔の言葉を心の中で呟きながら、窓の外を見て胸のざわめきを落ち着かせていた。
『杉本 ここのサービスエリアでトイレ休憩な。』
『あっ はい…。』
瀬崎さんは、行っておいでと私に手を振ると運転席のシートを倒して目をつぶった。