婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
『なつさん! 大丈夫ですから。』
私は慌てて、なつさんの腕を掴んで止めた。
会社で嫌がらせを受けていることを知ったなつさんは、心配そうに私の手を握りながらこう言った。
『私にも何か助けてあげられることあるかな?』
私は素直に嬉しかった。
瀬崎さんしか、私に手を差し伸べてくれる人なんていなかったから…。
女の人は皆 瀬崎さんの近くにいる私のことが気に入らないし、許せないから見て見ぬ振りをするのに…。
奥さんであるなつさんが、私を助けようとしてくれた…。
やっぱり なつさんには適わないと思った。
私は、なつさんを瀬崎さんの所へ行こうと誘った。元気のなかった瀬崎さんも、なつさんの顔を見たらきっと喜ぶと思ったから…。
でも、なつさんは中西さんを探しているようで後で合流すると言った。
そして、なつさんが来ていることも瀬崎さんには黙っていて欲しいと言われ、私はひとりでバーベキュー場へと戻った。
『遅かったな 迷ったか…?』
心配する瀬崎さんになつさんのことを黙っているのも気が引けたけれど、なつさんにもきっと事情があるのだろうと思い直した。
それから少しして、若い女子社員達と楽しそうに盛り上がっている中西さんの姿を見つけた。