婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
番外編~私の妹分~
あの恐ろしい事件から、三ヶ月が経った。
しばらくは、春君のことをマスコミも騒いでいたけれど、今では もう 世間の人たちの記憶からも忘れ去られたみたいだった。
私も、すっかり元通りの生活に戻っていた。
変わったことと言えば、私を慕ってくれる妹分が出来たということだろうか…。
「なつ 明日 また杉本とご飯食べに行くんだって…? 」
「うん 柚ちゃんから聞いた?」
「ああ なつさんとガールズトークしてきますって、浮かれてたけど…。すっかり 俺はのけ者だな…。」
ベッドの上で、圭司が拗ねたように言った。
そう
妹分とは杉本さんの事で、今では二人だけでご飯を食べにいくほど親しくなった。
なつさん、なつさんと言って私に懐いてくれる柚ちゃんのことが、私も可愛くて仕方がない。
「あはは 圭司 やきもち妬いてるんでしょお? 私に柚ちゃん取られちゃって…。」
私は、笑いながら圭司の顔を覗き込んだ。
「逆だろ? 杉本になつを取られたんだよ。」
圭司はそう言って、見下ろす私の頭を片手で引き寄せると軽くチュッとキスをした。
そしてそのまま ストンと私は圭司の胸の中におさまった。
「で… 明日はどこ行くの?」
「うん なんか柚ちゃんがね 行ってみたいイタリアンのお店があるんだって…。オープンしたばかりでテレビでも紹介されてたみたいだけどね いろんなチーズがのった盛り合わせが人気で…」
「今度はワインか…。なつ 杉本 ちゃんと見張ってろよ…。この前も油断して大変だっただろ? 毎回あいつ背負うの俺なんだから…。」