婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「分かったよ。杉本には俺が男紹介してやるから。それならいいだろ?」
「うーん でも いるの? 柚ちゃんに合いそうな人…? いくら彼女いなくても遊んでそうな人はダメだよ。できれば、優しくて、裏表がなくて、誠実な人がいい。」
「それって 杉本が言ったの?」
「違うけど…。でも そういう人の方が安心でしょ?」
「まあ 安心なんだろうけど、杉本だって まだ若いんだし、色んな男を知った方がいいんじゃないの? 恋愛なんてさ、条件でするもんでもないだろ? 惚れる時は、例え相手が悪い男でも、惚れちゃうと思うよ。」
確かに、圭司の言ってる事はわかる。
でも私は 柚ちゃんが泣かされるところなんて見たくない。私は豹変する男の怖さを誰よりも知っているから…。
「圭司…。無責任なこと言わないで。何かあってからじゃ遅いんだよ。私が今まで、どんな怖い目に合ってきたか、圭司だって知ってるでしょ? 婚約者と幼なじみに殺されかけたんだよ…私。」
私は言葉にした途端、急に恐ろしくなって震えだしてしまった。
そんな私を、圭司が慌てて抱きしめた。
「なつ! ごめん もう 分かったから もう 言わなくていいから…。」
圭司は私を心配そうに見つめながら、背中をさすってくれた。
「杉本の相手は、ちゃんとなつの言うように誠実そうな奴、探すから…。なっ 今日はもうこの話はおしまいな。」
私は、圭司の胸の中でこくりと頷いた。
こうして 柚ちゃんの恋人探しが始まった。