婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「えっ… 圭司?」
それは マズい!
ボーとする頭に、圭司の怒った顔が浮かんだ。
圭司には、毎回 口をすっぱく言われているのだ。
『女の子ふたりで行くんだから、なつはお酒を飲んじゃダメだよ。少しなら許すけど、酔っ払うまで飲んだら、もう 夜の外出させてあげないからね。』
たぶん 圭司は、柚ちゃんと二人で潰れちゃったら、身も蓋もないと思ったのだろう。
柚ちゃんは、幸い無事だけど、私がこんなになってしまった…。
でも 幸い門限の10時までは、まだ2時間もある。
どこかで酔いを冷ましてしまおう…。
「柚ちゃーん まだ 8時らから お茶しよ」
そう言って、私は柚ちゃんを引っ張って歩き出した。
「なつさん どこ行くんですか! そっちは マズいですよ!」
ふらつきながら歩く私を支えながら、必死で柚ちゃんが止めたけれど、それでも私は繁華街の方へとどんどん進んでしまった。
そして、いつの間にか私達は、夜のお店が立ち並ぶネオンの街へと迷い込んでしまった。