婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「ねえねえ お姉さん達! 二人でどこ行くの~? もし 決まってないんだったらさ うちの店においでよ~。」
そう声をかけてきたのは、いかにもチャラそうな今風の男だった。
スーツを着て、うちの店と言っているから彼はきっとホストなのだろう…。
「あの~ 結構れすから~。」
そう言って、歩き出そうとしたけれど柚ちゃんがビクとも動かない。
あれ…?
柚ちゃん どうしたんだろう…?
そう思って振り向くと、柚ちゃんは声をかけてきたホストの顔を見て、ポーと頬を赤くしていた。
えっ…!
柚ちゃん…?
ホストにまさかの一目惚れ!?
私は必死で首を横に振ったけれど、柚ちゃん
は彼の言葉にとびっきりの笑顔で頷いてしまった…。
こうして私は今、目をハートにさせている柚ちゃんと一緒に、ホストクラブにいる…。
『ホストクラブ ブルーライト』
その名の通りブルーのライトが店内を照らすこの店は、ホストが皆 格好いい…。
あー どうしょう…。
私は柚ちゃんを事もあろうに、ホストクラブなんかに連れて来てしまった…。
というか 私が連れ込まれたのだけれど…。
柚ちゃんがホストにでもハマってしまったらと思うと気が気ではない…。
柚ちゃんの隣では、聖也という先ほどのホストが甘ーい言葉を囁いている…。