婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~

いや そうじゃなくて…。
何してるの 私は…。
このままキスなんてしたら、圭司に会わす顔がないじゃない…。

早く逃げなきゃ…。
そう思うのに瞼がすごーく重たくて…。

ああ そうだ。
私は、もう 限界なんだ。
この眠気と戦うことに。

そして 私はそのまま、夏樹さんの胸の中で眠りについた…。

「なーんだ ざーんねん…。」

薄れいく意識の中で、そう呟く夏樹さんの声が聞こえた。

それから どれくらい時間が経ったのだろう。
耳からは 男女の笑いあう声が聞こえてくる。

目を開けると、私はお店のソファーにひとり寝かされていた。

時刻は夜中の12時…。
門限を 2時間も過ぎていた…。

柚ちゃんの姿も見当たらない。
ひとりで帰ったのだろうか…。

そして 携帯を見れば、圭司からの不在着信が恐ろしいことになっていた。

うわっ…!
これ 絶対怒ってる…。
慌ててかけ直そうとして、私はあることに気がついた。

圭司からの着信は11時半を最後にピタリとなくなっている。
そして その11時半の着信は、不在着信ではなく電話に出たことになっていた。

一体 どういうことだろう…。
もしかして 柚ちゃんが出てくれたのかな?

私が携帯を見ながら首を傾げていると、夏樹さんがやってきた。
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