婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「やっと 起きたみたいだね。覚えてる? ウーロン茶ひとくち飲んで、いきなり俺の胸で寝ちゃったこと…。」
そう言って、夏樹さんはソファーに腰かけた。
ああ そうだった…。
私の頭の中に、寝落ちする直前の記憶が蘇ってきた。
結局 私はキスをされてしまったんだろうか?
怖くて聞けない…。
あっ そんな事より柚ちゃんだ!
「あの 柚ちゃんは… どこに…?」
「ああ 彼女なら聖也が送って行ったよ。ちょうど 聖也も上がりの時間だったしね…。彼女さ、ドンペリ何本も入れちゃって…よっぽど聖也のこと気に入ったんだね…。最後は歩けないくらい、酔っ払ってたけど…。」
「えっ… 大丈夫かな…。」
夏樹さんは心配する私を見てクスッと笑った。
「人のことより、自分の心配した方がいいかもよ。けっこう 怒ってる感じだったから。なつさんのご主人…。」
「もしかして 私の携帯に出たのって夏樹さんなの?」
私は彼の腕を掴みながら言った。
「ああ あんまりしつこく鳴るもんだから出たけどまずかった? ご主人にはちゃんと事情を話しておいたから、そろそろ 迎えに来るはずだよ。」
「迎えに…来る…」
私は頭を抱えながら、うなだれた…。
どうしよう…。
あんなに飲むなって言われてたのに酔っぱらった挙げ句、ホストクラブで寝てしまった私。
柚ちゃんはホストにお持ち帰りされてるし…。
この失態を、圭司にどう説明しよう…。
「でも 驚いたよ。まさか なつさんが響の奥さんだったとはね…。」
あれこれと考えていた私に、夏樹さんが信じがたい言葉を放った。