ヒツジ、狼と恋をする。




目の前の男は、ツツジの前では見せなかった鋭い目付きで俺を睨んでいる。



なんなんだよコイツは……!



俺がさっき可愛いとか口走った時。



ツツジは走って、コイツの元に向かった。



それから…抱き付いていた。



いつだ?



コイツとツツジはいつ知り合った?



俺と会ったときはまだ男と話せもしなかったはずだ。



じゃあそのあと?



俺の知らないところで………?



「………晶くん、何考えてんのか知らないけど。
その怖い顔をツツジの前で見せてるんだったら…ぶち殺すよ?」



「!」



思わず、背中に冷や汗が流れる。



……本気だ。



目が、本気で俺を殺しに来ている。



「そのお得意の睨みでツツジを強迫でもしたの?ねぇ」



「なっ…!
んなことしてねぇよ!」



「あ、そう。
じゃあ君、ツツジの何?
なんで一緒にいんの?

君、ツツジのことどう思ってんの?」



「………!」




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