ヒツジ、狼と恋をする。
俺は、ツツジの何?
なんで一緒にいる?
………どう、思ってる?
俺が、ツツジを。
俺は、ツツジが…?
………………………あーもう。
めんどくせぇ。
んなもんわかんねぇよ。
目的があって一緒にいるわけじゃねぇし。
ツツジの中で、俺はどんなポジションなのかもわかんねぇ。
ただ、1つだけ言える。
グダグタ悩むのは俺らしくねぇな。
なら、言えることを言うしかねーじゃん。
「……俺はツツジが好きだ。
好きだから一緒にいる。
多分アイツにとって俺はただの友達なんだろうが…それでも好きなんだよ。
悪いか!」
「………………!」
俺が目を合わせてはっきりとそう言うと、目の前の男は少し面食らったように目を見開いて。
それから脱力したようにふー…とゆっくり息をはいて、冷たかった視線を緩めた。
さっきとはうって変わった柔らかい視線が、俺に向けられる。
そして男は…………吹き出した。
「ふっ…ふふっ…あははっ…!
なんだよそれー!
そんな大声で告白しちゃって…恥ずかしくないの?
まっすぐすぎると言うかなんと言うか…ツツジが俺んとこ来たとき晶くんツツジに何て言ったの?
ツツジすっごい照れてたけど、……もしかして水着見てつい可愛いとか口を滑らせちゃったりした?」
「んなっ……!?」
今度は俺が目を見開く。
それを見て機嫌を良くしたかのように、男はさらに笑みを深めた。
「あ~図星か!
うんうん、わかるよ。
ツツジ可愛いもんね」
「なっ…えっ…は!?」
な、なんだよコイツのこの変わり様!?
まるで別人じゃねぇか!!
それになんで言ったことまでわかる!
エスパー?エスパーなのか!?