ヒツジ、狼と恋をする。
「………あ~!!
なるほど、なるほどねぇ!
だから君、最初から俺を睨んできたのか!」
うんうん、と頷きながら、納得したように手を叩く。
………意味がわからない。
俺は眉をひそめるばかりだ。
「はぁ?
………1人で納得してんじゃねぇよ」
「あはは。
晶くん、俺に抱き付いてきたツツジを見て嫉妬してたんだ?俺に」
「なっ!!」
「だから睨んできたんでしょ?」
「~~~~~…っ!!」
……その通りすぎてなにも言えない。
多分今俺の顔は赤いだろう。
これほどかと言うまでに。
「じゃー晶くんに改めて自己紹介しておこうかな。
俺は『井上』葵。
ツツジの兄だ。
改めてよろしくね、晶くん?」
……………………え?
今、なんて?