ヒツジ、狼と恋をする。




二人ともとりあえず無我夢中で食べ、早めに昼食を済ませる。



よし、ここから客引きだ!!



「えっと。
この看板を持って歩けばいいんだよね?」



「そうそう。
とりあえず人の多い場所…ってどこでも多いか。

あ、校舎の外の屋台のところに行ってみない?
多分一番人多いよね」



「あっ、確かに。
今来た人とかもいるもんね」



千夏ちゃんの提案で、屋台がたくさん並ぶ校門付近に行くことになる。



校門から校舎までの一本道、そこにはズラリと並ぶ屋台がある。



ちなみに客引き中は普通に遊んでも良いため、私も千夏ちゃんも、実は屋台に遊びにいきたいだけだったりする。



まぁ、人が多いのは事実だし。



うん。



「ごめんヒツジちゃん、先いってて?
私トイレしてからすぐ追い付くから!」



「わかった!
えーっと、じゃあ校舎出てすぐの辺りにいるね!」



「りょーかい!」



千夏ちゃんと別れて、一人で生徒玄関に向かう。



「あ、見てあれ!
カフェあるんだって~」



「はぁ?カフェ?」



途中、横から聞こえた声に振り向くと、二人組の男の子が私を…正確に言えば私の持っている看板を指差していた。



双子なのだろう、そっくりだ。



「是非ご来店くださいー!
うちで昼食はいかがですか?」



「あ~、そういえばお腹すいたね。
食べに行こっか?」



「あー…別に良いけど」



「おねーさんありがとう!」



「いいえ~!」



中学生と思わしき二人は、そのまま私たちのクラスへと向かっていった。



なんか…顔そっくりなのに。



性格は真逆な双子だったなぁ。



それに今、あの子達男の子だったけど、普通に話せたよね私。



年下だからってのもあるかもしれないけど…。



やっぱり克服は出来ていってるみたい!




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