ヒツジ、狼と恋をする。
生徒玄関から外に出て、千夏ちゃんを待つ。
その間、数人のお客さんが私の持っている看板に足を止めてくれた。
呼び込みって…すごく効果あるな。
「ね~おじょうちゃん?
俺らそのカフェ行きたいんだけど~どこにあんの?」
「え?」
前から、5人ほどの男の人が歩いてきた。
…………これは。
色とりどりの頭を見るに…不良、ですよね…?
いや、待って待って。
今カフェ行きたいって言ってたから、お客さん?
なら無下に扱うわけにはいかない。
が、頑張れ!
頑張れ私っ!!
「あの、それでしたら校舎を入っていただいて…」
「あーわかんねぇ。
ねぇおじょーちゃん案内してよ?」
「えっ…あ、あのっ…その…」
強引に肩を組まれる。
た、煙草臭いっ…!
これ前にもあったやつだ。
遊園地でも…。
これ、ナンパだ!!!
「ついでに俺らと遊ぼーぜ?」
「ギャハハ、あんまいじめすぎんなって~!」
………怖い。
5人にかこまれて…足の力が抜けて崩れ落ちそうになる。
否、崩れ落ちた。
「あれぇ?
どーしたの?体調悪い?
あー、俺らが保健室連れてってあげようか」
「おいおい、それシャレになんねぇぞ~」
「いんじゃね?
抵抗しねぇし~」