ヒツジ、狼と恋をする。




生徒玄関から外に出て、千夏ちゃんを待つ。



その間、数人のお客さんが私の持っている看板に足を止めてくれた。



呼び込みって…すごく効果あるな。



「ね~おじょうちゃん?
俺らそのカフェ行きたいんだけど~どこにあんの?」



「え?」



前から、5人ほどの男の人が歩いてきた。



…………これは。



色とりどりの頭を見るに…不良、ですよね…?



いや、待って待って。



今カフェ行きたいって言ってたから、お客さん?



なら無下に扱うわけにはいかない。



が、頑張れ!



頑張れ私っ!!



「あの、それでしたら校舎を入っていただいて…」



「あーわかんねぇ。
ねぇおじょーちゃん案内してよ?」



「えっ…あ、あのっ…その…」



強引に肩を組まれる。



た、煙草臭いっ…!



これ前にもあったやつだ。



遊園地でも…。



これ、ナンパだ!!!



「ついでに俺らと遊ぼーぜ?」



「ギャハハ、あんまいじめすぎんなって~!」



………怖い。



5人にかこまれて…足の力が抜けて崩れ落ちそうになる。



否、崩れ落ちた。



「あれぇ?
どーしたの?体調悪い?
あー、俺らが保健室連れてってあげようか」



「おいおい、それシャレになんねぇぞ~」



「いんじゃね?
抵抗しねぇし~」



< 145 / 155 >

この作品をシェア

pagetop