ヒツジ、狼と恋をする。
思わず目を見開いた。
………なんで?
私と男の人を引き剥がし、背中に隠してくれる。
……………どうして?
一回も会ってなかったのに…。
なんでこんな奇跡を起こしてくれるの…晶!
怖かった訳じゃない。
晶が来てくれて、怖さなんて吹っ飛んだ。
だけど…。
安心のし過ぎかな。
涙がボロボロと流れ落ちていった。
「うぇっ…ふぇえっ…晶ぁ…!」
「えっ!?
な、なんで今泣いてんだよ!?」
「ごめっ…うくっ…わあぁぁん!」
「!?!!!?
ちょ、ツツジ…!?
大丈夫、もう大丈夫だから…!」
大声で泣く私を、ただただ抱き締めてくれる。
頭を少し撫でて。
「もうちょっと待ってろ」
そう、耳元でささやいてから晶が離れた。
晶が視線を不良たちに移す。
私を見ていたときとは違う…なんとも迫力ある睨みだ。