ヒツジ、狼と恋をする。
「お前ら…ツツジに手ぇ出してんじゃねぇよ!!
こいつは…ツツジは俺のもんだ!
汚い手で気安く触れてんじゃねぇクソどもが!!」
「……………えっ」
晶のいつもより低い声に辺りが静まり返って。
そのなかで一番最初に反応したのが…私だった。
「え?
あれ、今俺…何て言った?」
「……………えっ。え???」
私も晶も、理解が追い付かないように顔を見合わせる。
なに、今の。
え?????
無意識???
だって今。
「………ツツジは、俺のもんだって…」
「はぁっ!?
んなっ、俺っ、何をっ!!!?」
周りは、騒がしかったのが嘘のように静まり返って。
不良たちは、ポカンと開いた口を塞げずにいる。