ヒツジ、狼と恋をする。
「…………あのね」
私が話し出しても、晶は何も言わない。
でも、聞いてくれているのはわかった。
「私…男性恐怖症、治ってきたんだ。
今日だってね、そりゃあナンパは怖かったけど…中学生くらいの男の子と話せたの。
普通にね。
今までだったら年とか関係なくて、男の子ってだけで話せなかったのに。
これはね、晶のおかげ。
全部、晶が変えてくれたの」
晶と出会って、私は変わった。
女の子ばかりの私の世界に引きこもっていた私を、晶は出してくれた。
外の世界はこんなに面白いんだって、教えてくれた。
男の子の…晶の側にいると安心できる、安心感を知った。
だから…だからね。
「ありがとう晶。
私も…晶が好き!」
「!!」
「わっ!」
さっきみたいに、晶に抱き締められる。
昔の私からするともっての他なんだろうけど。
今はむしろ、嬉しくて仕方ない。