ヒツジ、狼と恋をする。
ヒツジ、狼と恋をする。
あれからどれくらいたっただろう。
たった数分にも感じるし、何時間も一緒にいたようにも感じる。
二人きりの屋上は妙に甘酸っぱくて、繋がれた手が恥ずかしくて、でも嬉しい。
私たちは、告白後の余韻に完全に浸りきっていた。
「ヒーツージーちゃんっ!!!
おめでとーーーーっ!」
「!!?」
バン!と突如開いた屋上の入り口から、千夏ちゃんが入ってくる。
それに続いて、葵、香代先輩、いずみさんまで。
私たちは恥ずかしくなって、バレるまえに慌てて手を離した。
「あれ~?
別に手、繋いだままで良かったのにぃ」
にこにこしながら言う香代先輩に、顔が赤くなるのがわかった。
も、もうすでにバレてた…!
「晶ぁ、よくやったじゃん!!
生意気でクッソムカつくけど、幸せにやれよー!」
「クソ先輩……いずみ先輩に言われなくても。
俺がツツジを幸せにする」
「うわぁ!
ついにそんなこと言うようになったかクソ後輩!
よくそんなくっさい台詞言えんなぁ」
「るっせぇクソ先輩!!」
相変わらず、良い相性してるよこの二人は。